iOSDC 2019に参加した感想(2日目午後TrackE)

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はじめに

2019年9月5~7日にかけて行われた、iOSDC2019に参加しました。

iOSDCとはiOS関連技術をコアのテーマとした技術者のためのカンファレンスです

 

iosdc.jp

 

2日目午後TrackEで聞いた発表の感想をざっくりと書いていきます。

目次

実践 CallKit/PushKitときどきバグ退治

概要

通話機能実装の必要性 : タクシー配車サービスにおいて、ユーザとタクシーを引き合わせるときに、詳細の情報伝達を素早く行える通話が必要。

この機能を構成する一部 : CallKit, PushKit, Twilio

Twilioが提供しているサンプルコードを参考にするとよい。

CallKit Tips

  • 動作、挙動の細かいドキュメントがないので、地道に検証が必要
  • 実機でしかUIを表示できない
  • あとで通知ボタン消せない

 PushKit/Twilio Tips

  • 証明書更新しようね
  • 証明書の切り替えを忘れないように

CallKitの割り込みバグは仕様なので要対処

感想

前日6日のLTでもCallKitに関するLTがありました。CallKitがWWDCで発表されて3年ほどで、OSのバージョンの割合や開発環境が出揃って実サービスに応用されてくるようになったということなのかと思いました。

こういったAPIも含め電話機能が民主化、オープンなものになったのだと感じます。

 

 

すべての人のためのアクセシビリティ対応

概要

アクセシビリティとは

  • 情報・サービス(機能)へのアクセスしやすさ、到達しやすさ
  • あらゆる人があらゆる環境で利用可能に (not only 障がい者向け)

ユーザビリティとの違い : アクセスできた後へのフォーカスが強い。(実際のところ、施策自体は共通集合が多いと思っている)

障がい者は思ったよりも多いし、自覚がない場合もある。(近視も本来は障害の一つではあると思う)

アクセシビリティ対応を完璧にしようと思うと、大変なので、まずは意識する所から。

既存の設定を上手く行うだけでも、アクセシビリティ向けに色々対応できる。

今後はSwiftUIで対応が楽になっていく見通し。

 

iOSに組み込まれているアクセシビリティ機能

  • ズーム機能
  • 太字化
  • AssistiveTouch (一部操作をショートカット化)
  • LEDフラッシュ (Androidも端末によってはデフォルトで付いてる)
  • 色を反転 (色相環の反転)
  • 等々

アクセシビリティに配慮したデザイン

  • タップ領域の確保
  • 複数要素を入れた見た目のデザイン
  • 色のコントラスト
  • 極力文字を画像にしない (解像度・文字サイズ対応)
  • スタイルの一貫性
  • 閃光を伴う表現を避ける

ツール・ヘルパー

Siriショートカット:Siriに話しかけて実行するマクロのようなもので、複数アプリにまたがった操作も可能。if/roopも対応

 

VoiceOver : Appleバイスに内蔵のスクリーンリーダー

VoiceOverに適切に読まれるには、各自適切な情報の設定が必要

iOS13でより操作可能な範囲が広がり充実する予定

 

SwiftUIは標準パーツでアクセシビリティ対応済み。カスタムパーツも自動で対応。

ただし、正しいコンテキストに沿った読み上げには適宜設定が必要

 

アクセシビリティの広がりで、より良い世界が実現する(と思う)

 

アクセシビリティ対応をすすめるには

  • 対応の必要箇所を見つける
  • デザイナーとの共有(技術的に対応できる範囲を特に)
  • 社内の理解を得る (ユーザ体験の向上を具体的に)
  • 対応優先度を決めて対処(主要フロー、困る順を優先

対応方法

  • 標準部品を使う
  • 習慣化する

 

感想

細かい違いはあれど、iOSに限らず、AndroidやWebでもアクセシビリティ対応に必要なことはあまり変わらないだろうと思いました。

普通の機能と違って、アクセシビリティ対応はユーザテストやフィードバックを多く受け取るのが難しいことを上手く対処できるようになるとよいと思います。

使う側も必要と感じてなくとも、本質的には必要な状況を解決できるとうれしいと思いました。

 

まとめ・カンファレンス全体の感想

 

双方向のコミュニケーションを掲げるカンファレンスだけあって、終始楽しく参加できたのがよかったです。

こういった機会でいろんな話を聞くと、開発や勉強のモチベーションが上がるので、また頑張ろうと思います。

今後は、自分も発表できるような立場になってみたいですね。